山田教授に教えてもらうバンコクの地名の意味・由来【第1回 スクムウィット通り】

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石川:先生、いよいよこの連載が始まりましたね。バンコクの地名の意味や由来については個人的に大変興味があったので、とても楽しみにしていました。

山田:こういう企画はすごくいいよね。僕も楽しみにしていたよ。 第1回目は確か「スクムウィット通り」だったかな。

石川:はい、日本人にとって一番身近な道から始めるのが良いかなと思いまして。王宮周辺の伝統ある古い地名を取り上げても、僕も含めて日本人にはあまり興味が湧かないと思いますし。

山田:まあ、そりゃそうだ。では対談を始めようか。

スクムウィット通りは、スクムウィット氏から命名?

石川:はい、よろしくお願いします。スクムウィット通りは、ネットで調べてみると、1950年にタイ国第5代道路局長のスクムウィットさんの名にちなんで命名されたとありますね。

山田:スクムウィットさんではなく、正確にいうとプラピサーン・スクムさん。スクムという姓にちなんでスクムウィット通りと命名されたんだよ。

石川:なんだ、そうだったんですね。先生に聞いてよかったです。

山田:スクムさんはすごくハンサムで、しかも頭がいい人だったんだよ。タイ人で初めてマサチューセッツ工科大学を卒業したのが彼。お父さんはヨンマラートという官僚貴族で、なんとチャオプラヤーだよ。すごいよね。

石川:なんだかしょっぱなから凄くマニアックなお話でワクワクしてきました。スクムさんの写真、後で探してみようと思います。
ヨンマラートさんも道の名前になっていますね。フアランポーン駅の近くにヨンマラートと書いてある高速道路の降り口を見たことがあります。

山田:ヨンマラートさんはパン・スクムという本名で、シーロムの「タノン・パン(Pan Road)」にもその名が冠せられているよ。

石川:あのシーロムとサトーンの間をつなぐインド寺とかミャンマー大使館がある通りですね。

山田:そう、ちなみに”ヨンマラート”というのは貴族としての欽賜名(王様からもらう称号的な名前)で、なんと”閻魔様”という意味なんだよね。

石川:すごい名前ですね。地獄の閻魔大王みたいに強くて偉いという意味ですかね。ところでチャオプラヤーというのはタイの官位制においてどのくらい偉い位だったんでしょうか?

山田:絶対王政時代のタイの官位制は王族と貴族の二本立てになっていて、貴族最高位がチャオプラヤー。ちなみに王室最高位がソムデットクロムプラヤー。

石川:王室に生まれなかった人が極められる最高位がチャオプラヤーということですね。あ、スクムさんの写真、ありました。

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石川:なんだかタイの俳優さんみたいな雰囲気ですね。お父さんがチャオプラヤーでMIT卒のイケメン貴族。すごいですね。モテたんだろうなあ。

山田:ダンディな雰囲気があるよね。

スクムウィット通りはカンボジア国境まで続く

石川:スクムウィット通りについて、ウィキペディアのタイ語版でいろいろ調べてみたら、シリラート病院の隣にあったワッタナー・ウィッタヤー・スクールが1919年に現在のスクムウィット・ソイ19に移転した時、セーンセープ運河しかなかったので、女校長先生がラーマ6世に道路建設をお願いしたと。

山田:それでプルンチット通りから学校のパクソイ(ソイの入り口)をつなぐ道路がつくられた。

石川:ソイ19までしかないスクムウィット通り、見てみたかったですね。

山田:昔のバンコクは道路があまりなかったんだよ。

石川:その後、段階的に延長工事が行われ、スクムさんが道路局長だった時にカンボジア国境のトラート県まで延長プロジェクトが行われた。当初はクルンテープ – トラート通りという名前だったのが、このプロジェクトに多大な貢献があったということでスクムウィット通りと命名された、みたいなことが書いてありますね。

山田:知らなかったよ、勉強になるなあ。石川君すごいね。

石川:いえいえ、ありがとうございます。そういえばスクムウィット・ソイ34に ”Baan Sukhumvit 34” という日本人駐在員のご家庭に人気のアパートがあるんですが、ここのオーナーはスクムさんのお孫さんだという話をきいたことがあります。

山田:へえ、そういうアパートがあるんだね。

石川:今度機会があればオーナーさんに会って色々とお話を聞かせてもらおうかと思います。

山田:それはいいね、今度僕にもきかせてね。

プロフィール

山田 均 Yamada Hitoshi

公立大学法人名桜大学国際学群教授
1959年東京都生まれ。宗教学者。1983年早稲田大学文学部東洋哲学科卒業。仏教学を平川彰教授に、タイ仏教を石井米雄京大教授に師事。タイ留学中クメール碑文をウライスィー・ウォーラッサリン教授に師事。タイ仏教僧団の研究論文により1988年小野梓記念学術賞を受賞。文学博士。好きな動物はシャム猫。

石川 貴志 Ishikawa Takashi

石川商事株式会社社長
1973年福島県生まれ。1996年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。在学中に山田均氏の創設したサークル「タイ研究会」の活動に参加し、氏の薫陶を受ける。1999年に渡タイ、2002年バンコクにて石川商事を創業。

Baan Sukhumvit 34のご紹介

この対談の後日、石川がBaan Sukhumvit 34のオーナーさんを訪問してきました。

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プラピサーン・スクムさんのお孫さんのペニーさん
(Baan Sukhumvit 34のプールサイドにて)

ペニーさんにお祖父様はどんな方だったのか尋ねたところ、マサチューセッツに留学していたので、趣味も身のこなしも西洋風で、ゆったりと葉巻をくゆらせるのがお好きだったとのことです。

Baan Sukhumvit 34 物件概要

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物件種別アパート
物件詳細https://ishikawashoji.com/property/baan-sukhumvit-34/
立地スクンビット34
最寄駅BTS トンロー駅 徒歩7分
築年1995年
総階数11階
総戸数19戸
間取り
家賃
2Bedroom | 230㎡ | 70,000B〜
3Bedroom | 230㎡ | 80,000B〜
地図

ご家族連れに大変人気のあるアパートでなかなか空室が出ませんが、2017年4月19日現在、なんと2Bedroomと3Bedroomに1室ずつ空室があります!

  • 2Bedroom 230㎡  3階 70,000Baht(即入居可)
  • 3Bedroom 230㎡ 10階 85,000Baht(即入居可)

お部屋は大きく改装が施され、さらに魅力的になりました!
オーナーのペニーさんも大変フレンドリーで良い方です。

スクムウィット通りをつくったプラピサーン・スクムさんが葉巻をくゆらせていたこの地で由緒正しきスクムウィット生活を謳歌するのはいかがでしょうか。

Baan Sukhumvit 34 のお問い合わせ

バンコク不動産探しのご相談は石川商事までお気軽にお問い合わせ下さい。

Baan Sukhumvit 34 物件詳細データ
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