石川:先生、おかげさまで前回は大好評でした。 知らないことばかりでとても興味深く読んだ、次回も楽しみにしています、といったお声を多方面から頂戴しました。
山田:嬉しいね!やっぱり皆んないろいろ知りたいんだよね。知るって楽しいね。
石川:ところで前回の対談について、「スクムウィット通りがスクム氏に由来することはわかったけど、ウィットとはどういう意味か?」という質問を何人かの方から頂きました。
山田:ウィットは学問だね。スクム氏の学識のお陰でこの道路ができました、みたいな思いが込められたんだと思うけど。
石川:多分そんな感じじゃないかと僕も思いました。今回はラーチャダムリ通りを取り上げたいと思います。先生、よろしくお願いします。
本記事の内容
ラチャダムリ通り周辺地図
ラーチャダムリ通りをつくった王様の”お考え”とは?
石川:”ラーチャ” は王様という意味ですが、”ダムリ” とはどういう意味でしょうか。
山田:お考え、っていうことかな。
石川:王様のお考えによる道路、という感じですかね。
山田:ラーチャダムリ通りはラーマ5世が今後の道路の規格を定めた記念碑的な道路です。サラデーンからプラトゥーナームの橋まで、大きな道路と運河を一緒に作ったわけ。
石川:道路の規格といいますと?
山田:基本的には幹線道路としてのサイズみたい。ラーチャダムヌーン通りもそう。ラーマ5世はヨーロッパに行って、パリのシャンゼリゼ通りに感動したんだよ。それでラーチャダムヌーン通りをつくった。
石川:王宮の近くのあの大きな通りですね。あれがシャンゼリゼを模してつくられたとは初めて知りました。確かにそういえばシャンゼリゼっぽいですね。
山田: 一方、残念な例として考えられたのはヤオワラート(ヤワラー)通りで、商店が立ち並んで拡張できない。しかも中国人はタイ国籍を取らないで、ベトナム国籍を持ってるんだよ。当時のベトナムはフランスの保護領だから連中もフランス人に準じた資格で滞在している。なかなかどかないわけだ。ラーマ5世はそれに懲りてラーチャダムリ通りを作りました。
石川:はあ、そうだったんですね。不動産という観点から見ますと、ラーチャダムリの大きな特徴として挙げられるのは、道路沿いに私有地がほとんどないという点です。もしかしたら全くないのかもしれません。
セントラル・ワールドやあの辺のホテルはどれも王室管財局からの借地です。コンドミニアムも、どれも所有権は購入できず、30年間の長期リースというかたちでしか持てません。
山田:それも最初からのラーマ5世王の”お考え”です。ヤオワラート通りで懲りたんだね。
石川:なるほどそういうことだったんですね。
バンコクの目抜き通りとしての歴史
山田:ラーチャダムリといえば、今はなきラーチャダムリ・アーケードとか大丸とか懐かしいね。あそこの日本食レストランには憧れたなあ。そこで1972年10月に起こった野口キックボクシングジム襲撃事件だとか、その後の日本製品不買運動とか、
石川:野口キックボクシングジム襲撃事件!? なんでしょうそれは? なんだかすごく興味をそそられます。
あ、ネットにありました。(野口キックボクシングジム襲撃事件の詳細)
タイにも反日運動があったなんて、いまの親日ぶりからは想像できないですよね。
山田:まあ、あくまでも45年前の気持ちだからね。
石川:個人的に忘れられないのは2010年の反政府デモです。セントラル・ワールドがデモ隊に焼き討ちされてしまった時は本当に驚きました。あれからもう7年が経つんですね。
1980年代?のエラワン交差点(上が東)。そごうはアマリンプラザ内に1982年開業。[写真元: http://photobucket.com/images/bangkok%201990]
エラワンの祠とエラワンホテル
山田:それとエラワンの祠についても触れないといけないね。
石川:あそこはなぜあんなに参拝客が多いんでしょうか。タクシーの運転手とかも、あそこの前を通るときはタイ人はみんな車の中からでもワイ(合掌)をしますし。
山田:香港スターがご利益でスターになれたから、くらいしか知りません。エラワンホテルを建てる時に事故が多かったので、ブラフマー神を祀る祠がつくられた。それは1956年11月9日なんだそうだ。
石川:へえ、そうなんですね。ホテル建設の厄除けとしてつくられたとは意外です。もっと長い歴史があるものと勝手に思っていました。
山田:わしはエラワンホテルに泊まったことがある。6000円くらいだった。高くなかったよ。
石川:そんなに安かったんですか !? 今はグランド・ハイアット・エラワンで超高級ホテルです。
山田:エラワンホテルは国賓を泊めるための国営ホテルですよ。田中角栄も泊まったし。
石川:へえ、そうだったんですね。そういえば10年程前にブッシュ大統領が来タイした時もあそこに泊まりました。
山田:何しろ警察本部の向かいだしね。
石川:それにしてもあそこが一泊6000円で泊まれたとは。
山田:インドもタイも昔は高級ホテルが安かったんだよ。
ロイヤルスポーツクラブについて
石川:ロイヤル・バンコク・スポーツクラブはいつ頃からあるんですかね。
山田:スポーツクラブは1890年認可。1901年正式に開きました。
石川:日本で似たようなスポーツクラブといいますと、
山田:東京ローンテニスクラブとかかな。霞会館とか。
石川:知りませんでした。調べてみたら東京ローンテニスクラブの創立も1900年でほぼ同時期。皇族の方々が会員で、名誉会員は天皇皇后両陛下。すごいですね。
山田:昔はロイヤルスポーツクラブのエンブレムにもの凄く権威があった。今は民間にも開かれたけれど、もともとは王族や官僚貴族の社交場で、外国人で会員になれるのは大使館でも参事官か公使以上だった。車の前にあのエンブレムが付いていると、警察も怖れて文句をつけなかった。
石川:あそこの会員の人達はみんな勲章みたいにエンブレムを車に付けてますもんね。昔ほどではないのかもしれませんが、現在でもロイヤルスポーツクラブの会員になるのは大変難しいという話です。
山田:憧れちゃうよね。
石川:チャトゥチャックで売ってないですかね、エンブレム。
プロフィール
山田 均 Yamada Hitoshi
公立大学法人名桜大学国際学群教授
1959年東京都生まれ。宗教学者。1983年早稲田大学文学部東洋哲学科卒業。仏教学を平川彰教授に、タイ仏教を石井米雄京大教授に師事。タイ留学中クメール碑文をウライスィー・ウォーラッサリン教授に師事。タイ仏教僧団の研究論文により1988年小野梓記念学術賞を受賞。文学博士。好きな動物はシャム猫。
石川 貴志 Ishikawa Takashi
石川商事株式会社社長
1973年福島県生まれ。1996年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。在学中に山田均氏の創設したサークル「タイ研究会」の活動に参加し、氏の薫陶を受ける。1999年に渡タイ、2002年バンコクにて石川商事を創業。
ラーチャダムリでのお部屋探しは石川商事におまかせください!
ラーチャダムリは、主にシーロムやサトーン方面やワイアレス通りのビジネス街に勤務するご単身者に好まれるロケーションで、景色を重要視したい、ごちゃごちゃしていない街並に住みたい、日本人が多いところは避けたい、といった方々にお勧めです。
人気物件はBTSラーチャダムリ駅すぐ東側の高層マンション群。
家賃はサービスアパートが8万B〜、コンドミニアムは2万バーツ代からお選びになれます。
近所での外食は、エラワン交差点周辺のショッピングモール内にあるレストランやファーストフード店が主なチョイスとなるでしょう。それ以外は、高級ホテルのレストランばかりとなります。
和食はモール内のチェーン系レストランが主流で、リラックス系の居酒屋はほとんどありません。
食材や日用品のちょっとしたお買い物は、駅徒歩すぐにVilla Marketがあって便利。
また徒歩10分圏内にはCentral Chidlom本店1階の高級スーパーや、日本食材が充実した伊勢丹5階のスーパー等もあります。
もっと近くに欲しいのはコンビニだけという買い物環境といえるでしょう。
ラーマ5世の”お考え”が色濃く反映された整然とした街並みの中で、エグゼクティブ感あふれるバンコク・ライフをおくられるのはいかがでしょうか。
ラーチャダムリ物件MAP
ラーチャダムリの人気・おすすめ物件 4選
Magnolias Ratchadamri Boulevard
エラワン・グランド・ハイアットの隣に完成したばかり、木蓮の花をイメージした斬新な建築デザインが印象的な56階建ての超高級コンドミニアム。
→物件詳細ページで詳しく見る
The Rajdamri
メイドサービスをつけられるコンドミニアムで、3万バーツ以内からお部屋があります。スタジオタイプでもバルコニー、洗濯機、浴槽がきちんとついています。
→物件詳細ページで詳しく見る
Grande Centre Point Ratchadamri
バンコクを代表する高級サービスアパートの1つ。中国人観光客が多く、ロビーは騒がしいイメージもありますが、物件のクオリティは素晴らしいものがあります。
→物件詳細ページで詳しく見る
Dusit Suites Hotel Ratchadamri
リゾートホテルのような雰囲気で、ロイヤル・スポーツクラブのゴルフ場の美景も素晴らしいサービスアパート。
→物件詳細ページで詳しく見る
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